機関紙(たびだち)
平成30年度59号
自分の気持ちを伝えるための“意思伝達装置”
人と人とがお互いに意思や感情、思考を伝達し合い、心を通い合わせるコミュニケーションのためには、言語・文字・身振りなどが使われます。しかしながら障害、例えば、脳性麻痺・進行性の難病・脳挫傷・咽頭摘出などによって発声・筆談が困難になられる方がみえます。この方たちの意思疎通や相手と心を通い合うために役に立つものとして「意思伝達装置」「携帯用会話補助装置」などがいろいろとあります。
意思伝達装置には、いろいろな種類の機器がありますが、今回は例として、「伝の心」「レッツチャット」について簡単にご紹介します。
伝の心(でんのしん)
「伝の心」はセンサーを使用し、身体の一部をわずかに動かすだけで、文字を「伝の心」システム装置に入力して自分の気持ちを言葉にすることができます。意思伝達を目的としたパソコンです。インターネット・ゲーム・文書作成・メール・各種リモコン操作・呼出などができます。通常のマウスではなく、いろいろなスイッチを使用し操作をすることが出来ます。
レッツチャット
「レッツチャット」は、言語及び上肢の両方に障がいを持つ方に適したコミュニケーション機器です。いつでもどこでも簡単に会話が楽しめます。文字版を直接押して操作することはできません。入力したい文字が光っているときに、入力スイッチを押すと文章を作成できます。全ての動作に音声ガイドがあるので、視覚障がいのある方でもご利用いただけます。
今回ご紹介した機器以外にも、当センターには「オペレートナビ」「ぺチャラ」「トーキングエイドfor iPad」や、「ジェリービーンスイッチ」「ポイントタッチスイッチ」などのスイッチが数多く展示してあります。機器を購入する前に「どんなものか知りたい・触ってみたい」「自分に合うスイッチはなんだろう?」と思われてみえる方はみえませんか?福祉機器は高額なものも少なくありません。機器を購入してから「使いづらいな」「もう少し簡単な操作の機器にすればよかった」などと後悔されることを軽減するために、当センターでは体験していただくことも可能ですし、福祉機器等の貸出もしています。貸出対象の方は、岐阜市在住の障害者総合支援法に定める障害者等(障害児及び18歳以上の障害者)の方になります。貸出費用は無料で、貸出期間は1か月です。また、ご自分に合ったスイッチが見つからない方につきましては、専門の方へご相談することも可能です。福祉機器等貸出の詳細につきましては、当センターまでお問い合わせください。
自助具・支援グッズ展示会開催
思わぬ病気や事故による障がいや加齢などの身体の変化により、日常生活の中で、不便なことや、やりにくいことが起きます。
「自助具・支援グッズ」は、障がいのある方や高齢者などが、日常生活のいろいろなことをよりスムーズに、より便利にできるように工夫されたものです。多くの方にこのことを知っていただき、障がいのある方などへの理解を深めていただくため、当センターでは、イベントの会場を利用して展示会を開催しました。今後も、より多くの方に「自助具・支援グッズ」を知っていただく活動をしていきます。
<主な展示品>
・月間スケジュール表 ・絵カードを並べ替えて使う予定表 ・入浴手順ボード
・ポケットサイズのスケジュール表 ・結ばないネクタイ ・開閉が楽なハサミ
・各種オープナー ・葉書用書字ガイド ・万能カフ ・くすり取り出し器 ・バネ箸
・湿布貼り ・ボタンエイド ・固定台 ・ソックスエイド(3頁でご紹介) など
これらのグッズは、当センターにて常設展示しておりますので、関心がある方はお気軽に当センターにお立ち寄りください。
「2018 障がい者理解啓発イベント」会場にて
12月3日~12月9日の障がい者週間やパラリンピック等の普及啓発の一環として、スポーツ交流等を促し、障がいのある人とない人が理解し合い、共に暮らす地域社会の形成を図るためのイベント「2018 障がい理解啓発イベント」が、岐阜市でも平成30年12月16日(日)に「みんなの森 ぎふメディアコスモス」のドキドキテラスにて開催され、当センターは、自助具・支援グッズの展示で参加しました。
当センターのコーナーには親子連れ、特別支援学級の先生などの学校関係者、ご夫婦や障がいのあるお子さんの保護者の方等が訪れてくれました。「特別支援学校での支援にとても参考になった」「自助具を実際に試せてよかった」「百均の物でつくれるなんていいね」「いろいろわかってよかった」等の感想が寄せられました。
「岐阜市ユニバーサルデザイン賞」展示会場にて
ユニバーサルデザインとは、「年齢・性別・国籍・文化・身体の状態など様々な特性や違いをこえて、すべての人に配慮したまちづくりやものづくり、情報サービスの提供を進め、誰もが生活しやすい社会環境をつくっていく」という幅広い意味で使われています。
平成31年1月27日(日)に「みんなの森 ぎふメディアコスモス」で開催された平成30年度「ユニバーサルデザイン賞」の展示会場(ドキドキテラス)を利用させていただき、当センターも自助具・支援グッズの展示を行いました。限られた時間でしたが、多くのお子さんたちにも興味をもって試用していただきました。
第25回 岐阜市「オンリーワンわたしたちの芸術祭」活動報告
「第25回 岐阜市オンリーワンわたしたちの芸術祭」が平成30年12月4日(火)から9日(日)に開催されました。当センター企画事業であるコーラスグループの「あんさんぶる♪」は、平成30年12月9日(日)、13時から「ハートフルスクエアーG」2階にてステージ発表をしました。今年度は「Tomorrow~明日があるさ~」をテーマとし、5曲披露しました。発表日が昨年度の平日から今年度は日曜日に変わり、観客の多さにメンバーはすごく緊張していましたが、4月からの練習の成果を発揮でき、メンバーはとても満足な表情で終えることができました。今年度の芸術祭でも、「あんさんぶる♪」の素敵な歌声と演奏をお届けできました。
また展示では、「絵手紙寺子屋」の作品、「パソコン☆チャレンジ」の写真を飾りました。在宅の方の「絵画」「書道」「ちぎり絵」「クレーアート」「羊毛フェルト」等の作品も飾り、個性が光る作品で壁面を彩る事ができました。
今年も開催しています「出張なんでも相談会」
岐阜市内の地域に出向いて、障がいのある方やその家族のご相談にのる「出張なんでも相談会」を平成30年度、第3回11月29日(木)に東部コミュニ―センターと第4回2月14日(木)を市橋コミュニティーセンターで開催しました。
毎回、便利グッズの展示をしており、関心を示される方も多く、便利グッズが手作りで出来る事を初めて知る方もみえます。その場で試す事もでき、自分に合う便利グッズが購入する前に必要なのかどうかを確認する事もできます。
次回、開催日が決まりましたら、当センターホームページ等でお知らせいたします。
自助具ってなんだろう?
自助具とは日常生活をより便利に、より容易にできるように工夫された道具の事です。例えば、「ネクタイが結びにくい」「靴下が履きにくい」など、その人の困難な動作を補うように工夫された道具の全てが自助具といえます。市販の物もありますが、当センター職員手作りの自助具もあります。是非、見て・触れて・体験してみてください。そして、普段の生活の中で困ってみえる事がありましたら、当センターにご相談ください。いい方法がないか、一緒に考えましょう!
~当センター展示品紹介~
ソックスエイド
腰が曲がりにくくなった、前かがみになるのがきついなどで靴下が履きにくくなった方のための自助具です
材料は・・・百円均一で売っているまな板です!
足先からソックスエイドを滑らせるように通し、ソックスエイドを引き上げると靴下が履けますよ!
岐阜市事業所一覧を改訂しました。
今年度から当センターが、市内の各事業所の協力を得て、「岐阜市障害児通所支援事業所一覧」と「岐阜市障がい者就労支援事業所一覧」を作成し、当センターのホームページに掲載しています。平成31年2月に改訂版を作成いたしました。それぞれの一覧は以下のアドレスでご覧いただけます。
https://www.gishousi.jp/wp2/info/
4月2日から8日は発達障害啓発週間です。
平成19年12月18日の国連総会で、毎年4月2日を「自閉症啓発デー」と決議し、全世界で自閉症を理解してもらう取り組みが行われています。また、4月2日から8日を「発達障害啓発週間」とし、日本各地で様々な活動が行われます。岐阜市でも開催される企画に合わせて、当センターも支援グッズの展示を企画中です。今後詳細が決まり次第、当センターホームページにてお知らせします。
行事予定(3月~6月)
赤字は当センター行事です。黒字は当センター支援行事です。
<あんさんぶる>
開催日 3月20日(水)、5月8日(水)、6月5日(水)
開催時間 上記開催日の13時30分~15時
場所 岐阜市民福祉活動センター2階会議室
<絵手紙寺子屋>
開催日 3月20日(水)
開催時間 上記開催日の13時30分~15時
場所 岐阜市民福祉活動センター2階会議室
以上の企画事業の他、新年度に入りましたら、新たに事業の参加者を募集いたします。詳細は当センターホームページや「広報ぎふ」でお知らせいたします。
<どんこくらぶ>
開催日時 3月から6月の期間中、3月29日、5月3日以外の毎週金曜日13時から15時
開催場所 福祉友愛プール
ただし、3月15日は10時から記録会、12時から15時までは総会です。5月12日(日)10時~13時30分には、「県大会障害者水泳大会」が福祉友愛プールにて開催されます。
詳しくは右記にお問い合わせください。(問い合わせ先 090-8422-7773 関谷)