お知らせ
出前講座「『障がい』があるという事を考える」を開催しました。
岐阜市人権啓発センター主催の「人権学習講座」にて、「『障がい』があるという事を考える~障がい種別と特性、困り事~」の出前講座を、6月13日(火)にぎふメディアコスモスみんなのホールで78名の方に、6月16日(金)は黒野会館で52名の方に向けて行いました。
はじめに、8つの障がい関係団体(身体障がい、視覚障がい、聴覚障がい、知的障がい、自閉症、精神障がい、高次脳機能障がい、難病)が、障がいのある方への対応や、サポートをどのようにするといいのか、についてお伝えしている「障がいの理解啓発パンフレット」のダイジェスト映像を35分ほど見ていただき、関わり方のポイントや、周りの人にできることを知っていただきました。
※この動画は、岐阜市公式YouTubeチャンネルから視聴することができます。
その後45分ほど、当センター職員自身の下肢障がいの困りごと、車いす生活での不便について、幼少期の話、言われて嫌だった言葉、障がいがあってもできる事、やりたい事等、職員自身の想いをお伝えさせていただきました。
障がい者にも人権があり、障がい者に何を言っても良いわけではないことを強調し、障がいの不便さや困りごとを知ってもらい、「できないこと」に対しては手助けをしてもらえると嬉しいことをお伝えしました。
講座を終えて
人権擁護委員の方々が聞きに来られる「人権学習講座」という場でお話をさせていただくことにすごく緊張しましたが、講座後、人権啓発センターの職員さんより、「『障がいについて』は関心が高いテーマだと思う。当事者の方の話を聞く機会が少ないということ、素直な思いや気持ちは聞く人の心を打つ話だった。一般の市民(大人)だけでなく、小学生や中学生も含めて聞いてもらえる場が増えるといいと思った。センターに依頼してよかった。」と言っていただき、講座をするにあたって、言われて嫌だった言葉を思い出したり、改めて声に出すと苦しくなりましたが、「心の声」をお伝えできる場を設けていただけたことを嬉しく思いました。この声が届き「障がい」が少しでも理解していただければ嬉しいです。
講座を聞いてくださった方の感想(一部抜粋)
・障がいと言っても一様ではなく、様々な障がいごとにそれぞれ特性、特徴があって、日常生活において障がいごとに不便なことに差があること等、お話から分かりやすく理解できた。勉強になりました。
・大変聞きやすかったです。ご自身のお話はお辛いことで、経験をされたのだとお話をされるのは難しいことだと思いましたが、とてもよくわかり、勉強になりました。
・改めて障がいのある方との共生を考えるきっかけとなりました。
・障がいのある方、ご本人のとてもいいお話でした。最後に「日常はとても幸せです」と言われ、胸がぐっとなりました。普段、障がいのある方と接することが少ないため、いざその場面に出会うと、どう接していいのか分からず、逆に気を使ってしまいますが、特別扱いせず、普通に接することが良いと思いますし、相手もそれを望んでいると思いました。
・大変感銘を受けました。私も障がいのある身。(下肢欠損)人生も残り少なくなりましたが、最後まで頑張ろうと思います。
・できないこと、不便なことに目を向け、耳を傾け、寄り添って共生できる社会が広がると良いと思った。まずは自分ができること、声をかけることは意外とハードルが高いけれども少しの勇気をもって声をかけたいと思います。目に見えにくい部分、人には理解されない部分を無理することなく、自分ができること、意識がけからやりたいと思います。
私自身、得るものが多い講座でした。ありがとうございました。
各会場での嬉しかった配慮について
メディアコスモスでは「みんなのホール」での講演だったので、会場をお聞きしてから「嫌だなぁ」と思ったのが、壇上に上がる階段には手すりがない!事でした。3段上がるだけでも下肢に障がいがある私には苦痛なことです。恥ずかしいですが、這って上がらなければなりません。
会場について、人権啓発センターの職員さんが気にかけてくださったのが「壇上に上がるための階段の手すり」でした。「みんなのホール」では、手すりを付けることができるとのことで、職員さんが真っ先に取り付けてくださり、安心して壇上に上がることができました。
黒野会館の会場は2階でしたがエレベーターはないとのことでした。階段に手すりがあれば2階まで上がる事は、ゆっくりですがなんとかできますが、気持ち的には「2階まであがるのしんどいなぁ」という感じです。
黒野会館には2階に上がるための昇降機がありました。使用できるように準備してくださっていたのですが、実は某所で使用した昇降機の傾きと動きが怖かった記憶があり、黒野会館での使用をためらってしまいましたが、使用させていただきました。
昇降機の動きはとてもゆっくりで、私自身が傾くことは全くなく、カーブはガタガタ揺れたりグイッンっと速度が急に変わって進むこともなく、快適に2階まで上がることができました。
今まで、自分自身でできないわけではないけど、「無理をしたり、我慢しながら行っていたことがあるなぁ」と実感しました。
人権啓発センターの職員さんが、私の不便さに気づいてくださり、各会場の職員さんが準備してくださったおかげで「無理や我慢」をしなくて済んだことがすごく嬉しく、心配りが嬉しかったです。