お知らせ

令和3年度「生活便利グッズ工作教室」を開催しました。

更新日時:2021.08.12
カテゴリーお知らせ

令和3年8月4日(水)に、今年も小中学校の児童・生徒さんを対象とした「生活便利グッズ工作教室」を開催しました。

今年も新型コロナの感染が治まっていないため、体温測定、消毒、適切な距離を守ってご参加いただきました。

今年は、小学生13名、中学生2名、保護者の方5名の参加がありました。便利グッズを作成する前に、ミニ講座として「障がいのある方の暮らしを考える」と題して、センター職員が様々な障がいによって、困りごとや配慮の必要なことが異なることや、配慮を考えるひとつとして「ヘルプマーク」や「清流思いやり駐車場」があることなどをお話ししました。ヘルプマークは家族や友達が持っている、テレビで見た、など知っている子どもたちも多くみられました。

挨拶

講話の様子

講話の様子②

その次に、作成するグッズ(小学生・中学生共通の「簡易筆談帳」、小学生作成の「ファスナーを留める補助具」、中学生作成の「片手用液体洗剤受け」)の作り方を説明しました。「ファスナーを留める補助具」は、片手が不自由な人がひとりで、ファスナーを留めて上げるための道具で、この道具の使い方をセンター職員が実演しました。とても真剣に興味深そうに見つめる子供たちの姿が印象的でした。

実演を見守る子供たち

その後、いよいよそれぞれで「便利グッズ」の作成に入りました。材料は先日ボランティアさん4名が協力して作ってくださったキットです(詳細は、当HP「『生活便利グッズ工作教室』に使用するキット作り」をご覧ください)。

小学生の皆さん、特に中学年、低学年の皆さんにとっては、文字を消すためのフエルトのつながったゴムを通す穴をパンチで開けるのに、強い力が必要で苦労したようですが、センター職員もお手伝いしながら無事にきれいに開けることができました。できあがったら、すぐにいろいろな絵や文字を書いてみる様子が見られました。

簡易筆談帳作成中

簡易筆談帳作成中2

簡易筆談帳作成中

 

「ファスナーを留める補助具」は、プラスチックの板(100均のまな板をカットしたもの)とひも、目玉クリップでできるもので、これも小学生の皆さんはスムーズに完成させることができました。

出来上がるとすぐに自分でも試してみましたが、なかなかとうまくファスナーが上がりにくいことが多く、後にいただいた感想の中で、「罰ゲームみたいだった」という意見もありましたが、皆さん何度も工夫してトライされていました。(服が大きめで端が引っ張りにくい、布地が柔らかくて張りが少ない、紐が長いとたるんで動かしにくいなど様々な要因によって、扱いにくいことがあるようです。苦労された小学生の皆さん、あらかじめの情報提供が少なくてごめんなさい。)ファスナーを閉めるという日常の動作の難しさを改めて感じた方も多いようでした。

ファスナーを留める補助具の試行

ファスナーを留める補助具の試行2

 

中学生の方たちには、「片手用液体洗剤受け」を作成してもらいました。薄めの発泡スチロールを丸くくり抜いてもらい、ディスペンサーの肩にはめるという作業でしたが、丁寧に取り組まれ、早々と完成できました。

「片手用洗剤受け」の完成

その後、作品を手に一人ずつ記念撮影をして終了しました。

記念撮影①

記念撮影②

記念撮影③

記念撮影④

参加された皆さんからは、「とてもたのしかったし生活のなかでこのべんりぐっつをつかいたいです。おかあさんがふじいうなことになったらこのべんりぐっずをつかはせたいです。」(原文のまま)「ふだん簡単にやっている事があたりまえにできるありがたみが感じられた。ぼくはけんこうなのでてつだいたいです。」「工作をしただけでなくしょうがいしゃの方の説明や教えてもらったことでべんきょうになった。いままでしょうがい者の方ときくとふしぎな人と思ってしまっていたけど、でも今回で別にふしぎな人ではなくぼくと同じ人間で有り少しちがうだけでこわがったらだめということがわかった。」「障がいには種類があり、ヘルプマークを付けている人がいれば理解し、困っていたら助けようと思いました。また、『生活便利グッズ工作教室』の片手でできる物は、障がいのある方にはとても便利で助かるものだと分かりました。また参加したいと思います。」という感想などをいただきました。他の方も含め、便利グッズを作ることや障がいのある人とのかかわりを前向きにとらえられている感想がとても多かったです。

同伴で参加された保護者の方からも、「少し工夫することで、障がいのある・ないに関わらず、生活の助けになることが分かりました。できないのではなく、できるようにどうすればよいか、子どもたちに考えさせることができたのではないかと思います。ありがとうございました。」「子供と一緒に参加させて頂きました。ふだん当たり前に出来ている事のありがたさが少しでも分かってもらえたので、助けが必要な人の役に立てる心が育ってくれればと思います。心育てになるとてもすばらしい講座を受講させて頂きありがとうございました。」などと評価をいただきました。

また、後日連絡をいただいた小学1年生と5年生のご兄弟の保護者の方からは、「工作教室では、本人たちなりにいろいろ感じる部分があったらしく、教室が終わってから、『体が不自由な人はね、こういうことが不便に感じるんだよ』とか『こういうのがあると便利なんだよ』など、いろいろな話をしてくれました。」というご報告も受けました。

参加された皆様にとって、障がいのある方との生活を考えるきっかけの一つになっていれば幸いです。

※文中の写真掲載については、ご本人の同意を得ています。

 

 

 

 

 

 

 

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